イベントを当日だけで終わらせない。国内シェアNo.1のドローンショー会社が明かす、インフルエンサーを活用したSNS拡散戦略
株式会社レッドクリフ 様
イベントやショーを開催しても、SNSで話題にならず、その日かぎりで終わってしまう。
インフルエンサーに頼みたいけれど、誰に任せれば伸びるのかわからない。
集客やプロモーションに関わる方なら、一度は経験のある悩みではないでしょうか。
国内ドローンショー市場でシェアNo.1(※)となり、世界記録も持つ——株式会社レッドクリフ様。私たちが何度も一緒に行ったインフルエンサー招待施策では、インフルエンサーによる多くの投稿が生まれ、最高37.8万再生を記録。それらを見た一般の来場者による投稿も回を重ねるごとに増えていき、「ドローンショーをSNSに投稿する」という流れを拡げるきっかけとなりました。やがて作り上げた「ドローンショーの撮り方」が、SNS投稿における一つの参考として広く取り入れられるようになりました。また、招いたインフルエンサーがドローンショーに夢中になり、各地のショーを追いかける。そんな文化まで生まれています。
ただインフルエンサーを集めて撮ってもらうだけでは、こうはなりません。何を意識して人を選び、どうやってSNSで拡散される設計をしていったのか。その舞台裏をレッドクリフ代表取締役・佐々木孔明氏とともに振り返りました。

左:レッドクリフ 代表取締役 佐々木孔明 氏、右:スキヤキッド代表 河田
レッドクリフについて
株式会社レッドクリフは、「夜空に驚きと感動を」をミッションに、ドローンショーの企画・運営を手がける会社。万博では約半年にわたり連夜ドローンショーを実施し、世界記録にも認定されました。2026年2月には日本最大のドローンショーとなる3,030機のショーも手がけ、「空のクリエイティブ集団」として、エンターテインメントと広告の両面からドローンショーの可能性を広げている。
スキヤキッドについて
観光業界特化型のSNSマーケティングサービス「Tripro(トリプロ)」を運営。ホテル・旅館、商業施設、レジャー施設、イベント主催者などの民間事業者から観光協会、官公庁まで、観光・おでかけ分野のSNS支援を専門としている。全国のクリエイターネットワークを活かしたインフルエンサー施策から、アカウント運用、撮影・投稿設計までを一貫して手がけ、「その場かぎりで終わらない」SNSの広がりを設計することを強みとする。
この事例の概要
| 項目 | 内容 |
| クライアント名 | 株式会社レッドクリフ |
| 業種 | ドローンショーの企画・運営、ドローン機体販売、ドローン空撮、ドローンプログラミング教室の企画・運営 |
| Triproの提供サービス | インフルエンサー招待施策(合計5回のドローンショーで実施)
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| 画たれた成果 |
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左:レッドクリフ 代表取締役 佐々木孔明 氏、右:スキヤキッド代表 河田
国内シェアNo.1のドローンショー会社、レッドクリフ
──【スキヤキッド 河田】まずは御社がどんな会社か教えてください。
弊社は主にドローンショーの企画・運営を手がけています。夜空をメディアとして活用する「空の広告代理店」のような広告事業と、夜の新たなコンテンツを創出し、ナイトタイムエコノミーの拡大に貢献するエンターテインメント事業。その両面から事業を展開しています。
昨年の万博では1,000機規模の大規模なドローンショーを約半年間にわたって連夜実施しました。ドローンがここまで安定してモチーフや文字、ロゴをくっきり表現できるんだという驚きを、多くの方に感じていただけたプロジェクトだったと思います。
──【スキヤキッド 河田】他社との違いは、どんなところにありますか。
強みは、大きく二つあります。
一つは規模感です。ドローンは機体数が増えるほど表現の解像度が高まり、描けるモチーフや演出の自由度も広がります。これまでに手がけた最大規模のショーは、今年2月に渋谷で実施した3,030機によるものです。
もう一つはアニメーターチームの表現力です。優秀なメンバーがそろっているため、同じ機体数でもデザインや動き、ストーリー構成によって演出に違いを生み出せます。また、機体数が限られている場合でも、その条件を生かした質の高い演出を実現できることが強みです。

ドローンショーはSNS拡散がカギだと考えていた
──【スキヤキッド 河田】ドローンショーをやっていく中で、SNSが大事だという考えは最初からありましたか。
ドローンショーを広告として実施する場合でも、自治体のプロジェクトとして実施する場合でも、大きなポイントになるのは、いかに話題を生み出せるかということです。これまではメディアに取り上げていただくことで情報が広がるケースもありましたが、広告効果として特に求められていたのは、来場者によるSNSでの自然な投稿や拡散でした。弊社は広告関連の案件が多いこともあり、SNS上でどれだけ反響を生み出せるかは、非常に重要です。そのため、投稿したくなるきっかけをつくり、SNSでの発信を後押しするような取り組みを、以前から行いたいと考えていました。
また、各地の花火大会を追いかけて撮影するカメラマンがいるように、いつかドローンショーにも各地の公演を追いかけて撮影・発信してくださる方が現れるのではないかと思っていました。そうした「ドローンショーインフルエンサー」のような方々が増えれば、ドローンショーそのものに発信力や拡散力が加わります。新しい文化として広げていくためにも、ドローンショーをきれいに撮影し、その魅力を発信してくださる方が増えてほしいと考えていました。
スキヤキッドは全国のインフルエンサーとネットワークを持っていた
──【スキヤキッド 河田】スキヤキッドと一緒にやろうと決めてくださった理由は何でしたか。
河田さん自身の投稿(chotii.jp)がドローンショーで約500万再生されているのは非常に説得力がありました。もちろんそれだけではなくて、たくさんのインフルエンサーを全国に抱えていらっしゃることも大きかったです。
ドローンショーと相性の良いインフルエンサーはどんな方なのかを考えたときに、まず思い浮かんだのが、お出かけ系、ファミリー系、旅行系のクリエイターでした。ドローンショーは家族で見に行ったり、おでかけの目的地になるコンテンツなので、そうしたジャンルとの親和性が高いと考えたんです。スキヤキッドさんはまさにそういう領域をカバーされていて、全国にネットワークをお持ちでした。一方で、弊社も全国各地でドローンショーを展開しています。そのため、スキヤキッドさんのネットワークや発信力と、弊社の事業フィールドが非常にマッチしていると感じました。

37.8万再生を叩き出したインフルエンサー招待施策
──【スキヤキッド 河田】2024年から5回、私たちとインフルエンサー招待を行いましたね。手応えはどうでしたか。
全国各地のドローンショーで、インフルエンサーのみなさんを招いて投稿していただきました。一番飛び抜けた数字だったのは、37.8万回再生(*2026年7月時点)の利根川大花火大会での投稿でしたね。
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もちろん、毎回狙って必ずバズを生み出せるわけではないため、基本的には複数のインフルエンサーの方に参加いただく設計にしています。発信力のある方々に投稿していただくことで、それぞれが一定のリーチを生み、その中から1本でも大きく拡散される投稿が生まれれば成功、という考え方です。
この施策は、特に地方で開催する案件で効果を発揮します。都心であれば、開催情報が自然とインフルエンサーの目に留まり、来場や自発的なSNS投稿につながることも少なくありません。一方で地方では、ドローンショーについて発信する人の母数自体が限られています。そのため、待っているだけでは話題は生まれにくく、事前にインフルエンサーをアサインし、こちらから話題のきっかけをつくっていくことが重要になります。
ドローンショーの魅力を最大限に引き出した
──【スキヤキッド 河田】インフルエンサーによる投稿内容はどうでしたか?
正直、すごいなと思いました。ドローンショーという夜の暗闇の中で飛ぶLEDを撮影するので、被写体として非常に難しいんです。ドローンがどの位置を、どの向きで飛ぶのか。正面から撮るのがいいのか、それとも斜めから撮るほうが立体感が出るのか。花火と同時に演出される場合もあるので、その両方をきれいに収められる撮影場所を見極める必要もあります。
そうした難しい条件があるなかでも、招待したインフルエンサーのみなさんはそれぞれ工夫しながらドローンショーの魅力を非常に美しく切り取ってくださいました。プロならではの視点や撮影技術によって、私たちが想像していた以上に魅力的な写真や映像が数多く生まれたと感じています。
──【スキヤキッド 河田】一発勝負ですし、本当にドローンショー撮影は難しいですよね。位置取りやスマホの機種によってはうまく撮れないこともあるので、万が一のときに素材としてお渡しできるように、念には念を入れて私自身も撮影していました。実際、あとで「うまく撮れなかった」というインフルエンサーの方に素材を使っていただきました。
そうですね。また、印象的だったのは、ドローンの離発着シーンです。ショーの開始に合わせて機体が一斉に空に舞い上がる瞬間や、ショーを終えて色とりどりの光を放ちながら帰還する機体が次々と着陸していく光景はとても迫力があります。
ただ、この離発着エリアは、安全管理の観点から場所や時間を一般には公開していないため、普段はなかなか見ることができない、いわばドローンショーの裏側なんです。そうした貴重なシーンを撮影していただいたことで、ドローンショーの運営チームとインフルエンサーのみなさんだからこそ撮れる映像や写真が投稿に含まれ、それが大きな話題につながりました。私たちとしても、こうした「普段は見られない裏側」には一定のニーズがあると考えていました。そのため、スキヤキッドさんとも連携し、可能な範囲で離発着エリアにもご案内しながら、ドローンショーの舞台裏まで発信していただけるよう意識していました。
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ドローンが帰還するシーン
──【スキヤキッド 河田】着陸シーンを撮りたいインフルエンサーの方を、ショーが終わった瞬間にうまく撮れる場所までダッシュで誘導したこともありましたね(笑)

「ドローンショーインフルエンサーのロールモデル」ができた
──【スキヤキッド 河田】実際私たちと協働してきてどうですか?
スキヤキッドさんとインフルエンサー招待を続けてきたことで、「ドローンショーの撮り方」そのものが徐々に広まってきたと感じています。もともと花火を中心に撮影されていた方々が、少しずつドローンショーにも興味を持ち、各地の公演を追いかけてくださるようになりました。そうした意味では、スキヤキッドさんが、ドローンショーインフルエンサーの一つのロールモデルを作ってくださったと思っています。
──【スキヤキッド 河田】招待したインフルエンサーのみなさんは、その後も各地のショーを追いかけてくれていますよね。早い方だとショーが終わって30分くらいで投稿が上がることもあって。
そうですね。何人かの方は、ご招待すると毎回足を運んでくださるような関係になっています。みなさん撮り慣れていらっしゃるので、限られた時間の中でもさまざまなカットを撮影し、組み合わせて質の高い投稿をSNSで発信してくださっています。そうして何度もご一緒するうちに、インフルエンサーのみなさん同士の交流も深まり、自然とコミュニティのようなつながりが生まれていきました。
振り返ると、当初思い描いていた「ドローンショーインフルエンサー」の存在を、スキヤキッドさんと一緒に少しずつ育ててこられたのかなと感じています。ドローンショーを撮影し、その魅力を発信する文化やコミュニティが少しずつ形になってきたことは、とても大きな成果だったと思います。
積み上げたバズ投稿が、次の提案の武器になる
──【スキヤキッド 河田】これまで積み上げてきた投稿は、他に何か役立つ場面はありますか。
もちろんあります。一つは、新しいクライアントへの提案です。ドローンショーをご提案する際に、これまで大きな反響をいただいたSNS投稿をお見せできるので、「これだけ注目を集められるコンテンツなんです」ということを具体的に伝えられます。実際の反響を見ていただけるのは、大きな強みですね。
もう一つは、イベントの集客です。投稿には、本番後のレポートとして魅力を伝えるものと、本番前の告知として来場を促すものの2種類があります。以前は、本番前に使える素材が十分になかったため、告知投稿はなかなか難しかったのですが、回を重ねる中で写真や動画のアーカイブが蓄積されてきました。最近は、ドローンショーを「名前は知っている」「一度見てみたい」と思ってくださる方も増えてきていると感じています。だからこそ、事前の告知で期待感を高め、本番の来場につなげることができます。
以前は「本番が終わってから盛り上げる」ことが中心でしたが、今では開催前の告知から本番、そして開催後のレポートまで、一連の流れとして設計できるようになってきました。

あえてスキヤキッドと組む理由
──【スキヤキッド 河田】ここまで一緒にやってきて、人選も撮影もレッドクリフさん社内でできそうにも見えます。それでも、あえてスキヤキッドと組む理由は何かありますか。
インフルエンサー施策を自社だけで完結させるのは、やはり難しい部分があります。スキヤキッドさんのネットワークももちろんですが、ショーごとに異なる客層に合わせて最適なインフルエンサーをアサインしてくださることや、インフルエンサーの連絡・調整まで一括して対応していただけることも、とても助かっています。
特に夏場は、多い日には全国で4会場ほど同時にドローンショーを開催することがあります。そのたびに各地でインフルエンサーを探し、スケジュールを調整し、個別にコミュニケーションを取るとなると、自社だけで対応するのは現実的ではありません。スキヤキッドさんと連携することで、私たちはドローンショーそのものの企画や運営に集中できますし、質の高い情報発信も実現できました。
──【スキヤキッド 河田】これから一緒に挑戦してみたいことはありますか?
一つは、インフルエンサーの方々によるライブ配信です。現地からリアルタイムで配信していただくことで、入場の制限がある会場や遠方で来場が難しい方にも、ドローンショーの魅力をタイムリーに届けられるようになると思っています。
もう一つは、リハーサルを使った事前告知です。テストフィールドを活用し、本番と同じ演出を事前に撮影できると考えています。もちろんショー全体を公開することはできませんが、本番で注目されそうなモチーフの一部を先行してご覧いただくことは可能です。たとえば花火大会でのドローンショーであれば、地域のお出かけ系インフルエンサーの方々は、過去の花火大会の写真や動画を数多くお持ちです。そこにリハーサルで撮影したドローンショーの映像を組み合わせて投稿を作ってもらい、「今年はこんなドローンショーも開催されます」と事前に発信していただくことで、来場への期待感をより高められると考えています。そういう展開も、スキヤキッドさんとだからこそできると思っています。
日本のドローンショーをもっと世界へ
──【スキヤキッド 河田】今後取り組んでいきたいことを教えてください。
日本ならではのドローンショーを海外へ展開していきたいです。すでにタイで実施した際には、手応えを感じましたし、日本で培ってきた演出や表現には、海外でも十分に可能性があると感じています。そのためには、海外のインフルエンサーに現地の言語で発信していただくことはもちろん、日本国内で開催するドローンショーでも日本在住の外国人向けに情報発信しているインフルエンサーの方々と連携し、日本ならではのドローンショーの魅力を世界へ届けていきたいと考えています。
海外展開はまだ始まったばかりですが、一歩ずつ実績を積み重ねながら、世界中の人に日本のドローンショーを届けられるよう挑戦を続けていきたいと思っています。まだスタートラインにも立っていないと思っていますが、ぜひやりきりたいです。
おわりに
国内No.1(※)のシェアを持つ会社でありながら、「レッドクリフの挑戦はまだスタートラインにも立っていない」と佐々木社長がおっしゃったのが印象的でした。ドローンショーという新しいエンターテインメントを、その日かぎりの感動で終わらせず、SNSを通じて日本中へ。そして世界へ届けていく。その視座の高さこそが、世界に果敢に挑む会社を生んだのだと思います。
イベントや体験の熱量をSNSの広がりに変えたいと考える事業者は多いはずです。ですが、ショーやイベントは本番一回きりで、撮り直しがきかない。だからこそ、誰と組み、どう設計するかで結果が大きく変わります。レッドクリフさんと共に築いてきた「ドローンショーインフルエンサー」という文化を、一つのモデルケースとして参考にしていただけたら嬉しいです。
※株式会社富士キメラ総研『映像DX市場総調査 2024』|2023年実績

